食中毒について

院長の小島です。

☆食中毒について 

食中毒というと、飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しています。普段、当たり前にしていることが、思わぬ食中毒を引き起こすことがあるのです。嘔吐と下痢が主な症状ですが、腹痛や発熱がみられることもあります。食中毒の約9割は細菌やウィルスが原因となって起きています。食中毒を起こす菌の多くは、20℃くらいの室温で活発に増え始めて、人間の体温くらいの温度で増殖のスピードが一番速くなります。また、細菌の多くは湿度を好みます。気温が高く湿度も高くなる梅雨の季節は、細菌の増殖を活発にさせる条件がそろうので、食中毒が増え始めるのです。

☆食中毒を防ぐために

細菌やウィルス、寄生虫は加熱により死滅します。このため、お肉やレバーなどの内臓は、よく加熱して食べましょう。特にお子さんやお年寄りなど抵抗力の弱い方は、注意が必要です。1歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べると乳児ボツリヌス症にかかることがあるので食べさせないでください。なおボツリヌス菌は熱に強いので、通常の過熱や調理では死にません。

 <予防の3原則>

・つけない

  手を石鹸でよく洗う

  おにぎりをにぎる時は素手でなくラップなどを使う

  まな板は加熱用(肉、魚など)とそうでないもの(生野菜など)と分ける

・増やさない

  保存する時は、冷蔵庫や冷凍庫を使う

  冷蔵庫に長時間放置しない

  温かい料理は常に温かく(65℃以上)、

  冷たい料理は常に冷たい状態(10℃以下)で保つ

・やっつける

  加熱によって菌をなくすために、食品を調理する時は、

  中心部までしっかり加熱しましょう。

  食品の中心温度が75℃以上の状態で1分間の熱を加える

  ノロウィルス対策は、食品の中心温度が85℃以上になるように加熱する。

  調理済みの食品を再加熱するときは、再度75℃以上になるように熱を加える。