生後0~6か月の母乳栄養児、その75%がビタミンD欠乏
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梅雨も明け、猛暑が続いています。
紫外線対策も大切ですが、ビタミンDの合成には日光浴が必要です。
今回は、そのビタミンDについて書きました。
- ただいま流行中
ウィルス性胃腸炎の流行が続いています。
百日咳・マイコプラズマといった「咳が長く続く感染症」の流行は継続しています。
水痘・おたふくかぜが散見されます。
これから季節は手足口病やプール熱といった、いわゆる「夏風邪」の流行が予想されます。 - ビタミンDサプリメントの院内販売を開始しました。
生後0~6か月の母乳栄養児の75%がビタミンD欠乏との報告があります。小児科学会から、2025年3月「乳児期のビタミンD欠乏の予防に関する提言」が出ました。
ビタミンDが欠乏すると骨がもろくなり、「くる病」や下肢の変形、成長障害(低身長)、低カルシウム血症による「けいれん」を起こすことがあります。
また最近では、ビタミンD欠乏が食物アレルギーの発症にも関与していることがわかってきました。
ビタミンDは、食事からと皮膚での合成で作られます。
<食事から>
・母乳はビタミンDの含有量が少ない(粉ミルクの1/3程度)ため、母乳栄養が主なお母さんはビタミンDの摂取をしましょう。
1日の目安 10μg(400単位)
(食材に換算すると 鮭30g、卵黄4個、シイタケ20個)
・乳児のビタミンD摂取の目安は5μg(200単位)です。
・ビタミンDサプリメントについて。医療機関専売品の「ベビーD200」は、市販品「ベビーD」の2.5倍の濃度で値段は同程度です。食事からの摂取が難しい場合は医師へお申し出ください。
・国際ガイドラインでは、1歳までは栄養方法によらず、予防にビタミンD製剤10μg/日の摂取を勧めています。『ベビーD200』を用いると、母乳なら1日1滴、ミルクでも1日1滴が目安です。
<皮膚から>
ビタミンDは紫外線によって皮膚で合成されます。・日光浴:生後2週間頃から外気浴に慣らし、生後1ヵ月頃、5分程度から始めましょう。頭と顔には直接日が当たらないように日よけ布か帽子で覆います。夏は午前10時前か午後3時過ぎ、冬は正午前後の日差しがよいでしょう。ガラスは紫外線を通しにくいので、ガラス越しの日光浴は意味がありません。季節によりますが、東京では夏なら10分程度、冬は30分程度を目安にします。
『真夏は子どもに直射日光は控えたい』というお気持ちはわかりますので、ビタミンDをサプリメントで補うことも御検討ください。
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